1 位置及び地勢
福岡都市圏は、九州の北部、福岡県の北西部に位置し、北は玄界灘に面し、海を隔て遠く朝鮮半島、中国大陸へと続いています。博多湾沿岸の福岡平野部を中心として、東に宗像、西に糸島の平野、南は脊振、三郡山地によって囲まれ、ほぼ半月形をしています。地形は、東西に低山地を擁し、山地面積は少なく、山々はなだらかで脊振山(1,055m)以外は1,000m未満の山がつらなっています。
河川は、筑紫野市を上流端とする筑後川水系の宝満川及び山口川がありますが、博多湾及び玄界灘に注ぐ多々良川をはじめとする数多くの河川は二級河川で、いずれも流域面積、流量ともに小さな河川です。
【福岡都市圏の人口(国勢調査)面積(国土地理院)】
計 | 1,280,452人 | 2,559,758人 | 1171.89㎢ |
昭和45(1970)年 | 令和2(2020)年 | 面積 | |
福岡地区 | 862,921人 | 1,612,392人 | 343.47㎢ |
筑紫地区 | 151,693人 | 439,695人 | 233.32㎢ |
糟屋地区 | 138,302人 | 244,666人 | 206.71㎢ |
宗像地区 | 71,332人 | 164,128人 | 172.70㎢ |
糸島地区 | 56,204人 | 98,877人 | 215.69㎢ |
福岡都市圏の市町(構成)
2 気象
福岡都市圏は、日本海型気象区に属し、比較的温暖な気候ですが、グラフにもありますように過去のデータと比較すると温暖化の影響を受けています。
冬期は季節風の影響を受け曇天の日もありますが、おおむね穏やかで積雪はほとんどなく、住み易い気候です。
【福岡の平均気温】
平均気温(℃) | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
1970年代 S45~S54 |
6.07 | 6.81 | 9.30 | 14.46 | 18.62 | 22.16 | 26.90 | 27.43 | 23.63 | 18.43 | 12.73 | 8.33 |
1980年代 S55~H元 |
6.01 | 6.30 | 9.65 | 14.83 | 19.00 | 22.56 | 26.61 | 27.41 | 23.64 | 18.51 | 13.25 | 8.23 |
1990年代 H2~H11 |
6.89 | 7.69 | 10.48 | 14.98 | 19.48 | 22.96 | 27.09 | 27.98 | 24.41 | 19.04 | 14.06 | 9.24 |
2000年代 H12~H21 |
6.86 | 7.92 | 10.80 | 15.63 | 19.76 | 23.50 | 27.51 | 28.27 | 24.87 | 19.81 | 14.10 | 9.03 |
2010年代 H22~H31 |
6.63 | 7.81 | 11.11 | 15.70 | 20.43 | 23.32 | 27.95 | 28.86 | 24.87 | 19.89 | 14.38 | 8.93 |
【気象庁データ 地点:北緯33度34.9分 東経130度22.5分 標高2.5m 福岡管区気象台】
3 水事情
福岡都市圏は、経済の高度成長期に入った昭和30年代後半(1960年代)から、人口の増加や都市化の進展、生活レベルの向上等に伴い、水需要が年々著しく増加しました。しかし、地理的要因から近郊にこれらの需要を満たす河川に恵まれないことから、渇水が頻発し、深刻な社会問題となっていました。
特に昭和53(1978)年の福岡大渇水では、福岡都市圏の中心都市福岡市において、287日間の給水制限、延べ4,054時間の断水が、平成6(1994)年の西日本大渇水では、295日間の給水制限、延べ2,452時間の断水
(いずれも福岡市)が発生するなど生活に重大な影響が生じました。
このような状況のなか、福岡都市圏の自治体においては、水需要を抑制するため、宅地開発の抑制、累進料金制の導入、節水コマの設置、節水機器の普及促進など様々な工夫が行われてきました。