1 創設事業

 福岡都市圏は、窮迫した水事情からその対応策として、国の筑後川総合開発事業による水源の確保を待望していました。

 水資源開発基本計画に基づき筑後川水系の江川・寺内ダム、及び合所ダムの建設が具体化して、当地区の水道用水が確保されることになったので、これを受入れるため昭和48(1973)年6月、企業団を設立して、昭和52年度からの供給開始を目標に用水供給事業の創設に着手しました。

 しかし、この事業は、流域外からの導水事業であることから、全国第1位のノリ生産高を誇るノリ漁業者及び耕地面積17,000haを擁する淡水(アオ)取水農業者等に対する補償等多くの問題を抱え、巨額の事業費に併せて長期にわたる建設期間が必要でした。

  この事業の要となる筑後大堰、福岡導水等国の事業は、昭和49年7月、基本計画の決定を見て以来実現までに約10年もの歳月を要しました。

  このような建設期間の長期化によって、建設利息は事業費を大幅に押し上げることになり、水のコストに大きく影響しました。

 昭和48年度から着手した創設事業は、同年度末までに浄水場用地をおおむね確保し、昭和49年度から本格的な建設に着手しましたが、国の事業の進捗状況から計画変更を余儀なくされ、工期については、当初計画4年に対し、11年という長年月を要しました。  

また、創設事業費についても、当初計画107億円に対し、約3倍の312億9,700万円を要しました。

 

2  基本方針

 企業団の経営は、地方公営企業法第17条の2の規定により、その経営に伴う収入をもって、その経費に充てるという独立採算制によることとされています。

 料金収入は、その経営に伴う収入の大半を占めており、料金体系のあり方が企業団の経営に極めて大きな影響を及ぼします。

 したがって用水供給料金は、その公益性から負担の公平・料金体系の明確性が、確保されなければなりません。料金の低廉化はもちろん安定性が強く要請されるので、巨額の投下資本に対する資本費及び管理費の確実な回収を図るため、責任水量制による基本料金と使用水量制による使用料金の2本立てとしました。

 

3 料金体系

 料金体系は、地方公営企業法第21条第2項の地方公営企業の「料金は、公正妥当なものでなければならず、かつ、能率的な経営の下における適正な原価を基礎とし、地方公営企業の健全な運営を確保することができるものでなければならない。」との法の趣旨に沿って、次の五つの基本理念、

 

① 貴重な水資源の節水理念にたった有効的利用

② 用水供給の安定化

③ 受水団体間の負担の公平化

④ 受水団体への配分水量に応じて建設された資本費等固定費の確実な回収

⑤ 健全な経営を図るとともに極力経費の節減

 

  を骨子として、資本費等固定費を安定的かつ合理的に回収するため供給協定に基づく供給水量を基本水量とした責任水量制による基本料金と、供給対象団体間の負担の公平を図るための供給対象団体への供給水量に応じた使用水量制による使用料金の2本立てを設定しました。

 

基本料金=基本料金単価× 基本水量(※)

※基本水量=1日最大供給水量×調整率

 

使用料金 = 使用料金単価 × 使用水量

 

 

4 財政収支計画

第1次財政収支計画【昭和58(1983)年10月~61(1986)年3月】

【計画】 

 昭和58年度からの供給水量が一部供給であるため、計画供給水量に対し施設利用率が低く、資本金が増嵩して料金の高騰が見込まれたため、創設事業費に係る企業債の利息について、「高料金水道特別対策債」を導入して初期の資本費負担の軽減を図り、料金高騰の抑制に努めることとしました。

■料金

〇基本料金単価   87円50銭

〇使用料金単価   12円50銭

〇基本水量の調整率  80%

【実績】

 当初、財政収支計画は昭和58年10月から昭和61年3月の2年半で設定していましたが、当初予定の通水が流域問題等により遅れたことに伴う料金の減収、及び高料金水道特別対策債の借り入れができなくなったことにより計画を見直す必要があり、昭和60年4月からの新たな財政収支計画を策定しました。

 なお、料金収入の減により昭和59年度末の累積欠損金は約23億円となりました。

 

第2次財政収支計画【昭和60(1985)年4月~63(1988)年3月】  

【計画】  

 供給計画は各構成団体の受水計画をもとに設定し、経費については極力節減に努め、累積資金不足額の解消を図ることとしました。

■料金の改定(昭和60年4月~)

〇基本料金単価  125円50銭(改定前 87円50銭) 

〇使用料金単価   12円50銭(改定前 12円50銭)                    

【実績】

 この期間における収支は、料金収入が江川・寺内ダムの追加分や筑後大堰分の通水時期が遅れたことにより減収となったものの、支出においても通水の遅れに伴う動力費、薬品費の減、さらには円高に伴う電気料金の引き下げや、金利の低下による利息の減などにより、期間全体の損失は計画から2億円縮小して約9億円となり、累積欠損金は約32億円となっています。

 また、期間終了時(昭和62年度末)における資金残は、計画の約1千万円を大幅に上回る約4億円となりました。

                                              

第3次財政収支計画【昭和63(1988)年4月~平成3(1991)年3月】                  

【計画】 

 用水の安定供給、水需要に対する水源の確保、健全な財政基盤の確立を図るといった基本的な考え方に、新規要素として福岡導水事業の償還開始、合所ダムの通水開始を見込みました。

■料金の改定(昭和63年4月~)

〇基本料金単価   157円(改定前 125円50銭)

〇使用料金単価    10円(改定前  12円50銭)

【実績】

 この期間における収支は、料金収入については、合所ダムの通水開始の遅れによる料金収入の減少、支出については、通水関連経費の減少や、上水道高料金対策借換債による高利率の既往債の借り換えを進めたことに伴う支払利息の減少などにより、期間全体の損失は計画から7億円縮小して約3億円となり、累積欠損金は約35億円となりました。

 また、期間終了時(平成2年度末)における資金残は、計画の約1千万円を大幅に上回る約4億円となりました。

 

第4次財政収支計画【平成3(1991)年度(暫定)】

【計画】

 当時懸案となっていた一般会計繰出金の問題が解決し、平成3年度から稼働施設に係る元利償還金や水資源開発公団割賦負担金に対しても繰出しが行われることになり、その見返りとして、調整率5%相当の基本料金の減免を暫定的に実施することになったため、平成3年度はとりあえず暫定期間とし、平成4年度以降、新たな財政収支計画を策定することになりました。

■料金の軽減(平成3年4月~)

〇基本水量の調整率  80% ⇒  75%

【実績】

 約9億円の利益を計上し、累積欠損金は約25億円に縮小しました。                                              

                                     

第5次財政収支計画【平成4(1992)年4月~8(1996)年3月】

【計画】

 平成3年度の暫定期間を経て、次に平成4年度を開始年度とする新たな財政収支計画の策定を行いましたが、その目標を、資金ベースによるこれまでの料金設定によって事業開始から平成元年度まで年々増え続けていた累積欠損金の解消におき、平成4年度以降、料金算定の方法を損益ベースに改め、当企業団財政の健全化を図ることになりました。

 このため、平成3年度末(見込み)の累積欠損金約26億円を平成4年度から平成12年度までの9年間で解消させること、また、期間は平成8年度に福岡導水事業の第2次精算分(山口調整池等)の償還開始や鳴淵ダムの完成が見込まれたことから、平成7年度までの4年間として財政収支計画を策定しました。

 

【資金ベース 損益ベースとは】

 資金ベースとは減価償却費を費用化せず、実際の資金不足分だけを改定する方法。

 これに対し、国は昭和41(1966)年7月5日付自治事務次官通達により、営業費(減価償却費を含む)、支払利息等経営に要する経費を、費用として料金を決定する(損益ベース)よう指導しています。 

 

 用水供給料金については、平成3年度の繰出金制度の充実により財政状況が好転したことにより、条例料金を据え置き、かつ平成3年度の基本料金の調整率を75%に引き下げる暫定措置を継続したとしても、期間の収支を十分賄えることから改定を見送ることとしました。

 なお、平成3年度の暫定措置を本制度とするため、水道用水供給条例施行規程の改正を平成4年4月1日付で行いました。

【実績】

 この期間における収益的支出は、収入については用水供給料金の増等により計画を約4億円上回り、支出については計画どおりであったことから、この期間における利益が約4億円改善し約17億円となり、平成7年度末の累積欠損金は約8億円に縮小しました。 

 

第6次財政収支計画【平成8(1996)年4月~11(1999)年3月】

【計画】

 山口調整池の完成見込が平成10年度に延長され、また福岡導水事業第2次精算分の償還開始も平成11年度となる見込みであったことから、計画期間を平成8年度から平成10年度までの3か年とし、平成10年度において累積欠損金の解消を図ることとしました。

 用水供給料金については、平成10年度末に累積で約4億円の利益を計上できる計画でしたが、平成11年度以降、収支の悪化が見込まれたため値下げは見送りました。

【実績】

 この期間における収益的収支は、収入が、平成10年度を見込んでいた鳴淵ダムの供用が遅れたことによる用水供給料金の減収等により計画を下回ったものの、支出においても動力費、薬品費や委託料等の不用が生じたため、平成10年度末の累積の利益は約6億円と計画を約2億円上回りました。(利益のうち、約3億円は減債基金に積み立てを行ったため、平成10年度末における実際の累積の利益は約3億円となりました。)    

 また、累積欠損金の解消時期も計画の平成10年度から平成8年度と2年早く達成することができました。 

 

第7次財政収支計画【平成11(1999)年4月~13(2001)年3月】

【計画】

 完成が遅れていた鳴淵ダム及び山口調整池の稼働が平成13年度に予定されていたものの、流動的な要素が大きいことからその影響を除くこととし、計画期間を平成11年度から平成12年度の2か年としました。

 用水供給料金については、十分な利益が確保され、剰余金がさらに上積みされることが見込まれましたが、将来の欠損金の発生に備えることとし、据え置きとしました。

【実績】

 この期間における収益的収支は、上水道高料金対策借換債による高利率の既往債の借り換えや、水資源開発公団割賦負担金の繰上償還の実施に伴い支払利息が大きく減少したこと、さらに負担金や修繕費など維持管理経費の不用もあり支出が大幅に減少したことから、約18億円の利益を計上し、そのうち約1億円を減債基金に積み立て、累積の利益は約20億円になりました。

 

第8次財政収支計画【平成13(2001)年4月~17(2005)年3月】

【計画】 

 本来であれば平成13年度から財政収支計画において用水供給料金の見直しを行うことも考えられましたが、平成17年度以降、海水淡水化施設の稼働に伴う費用の増加によって厳しい経営状況になることが見込まれ、剰余金については将来の経営の安定化に必要となることから、料金の改定は引き続き見送りとしました。

 また、鳴淵ダムの稼働に伴う用水供給料金の増加と山口調整池の稼働等による費用の増加がほぼ拮抗することから、約1億円の損失を見込みました。

【実績】

 この期間における収益的収支は、平成14年度の渇水などにより収入が減少した一方、上水道高料金対策借換債による高利率の既往債の借り換えや、水資源機構割賦負担金の繰上償還の実施に伴う支払利息の減少や負担金等の維持管理経費の不用等により、支出が大幅に減少したことから、約27億円の利益を計上し、その全額を減債積立金に積み立て、累積の利益は引き続き約20億円になりました。

 

第9次財政収支計画【平成17(2005)年4月~20(2008)年3月】

【計画】 

 減免措置の期間や海水淡水化施設の運転状況の確認等の期間を考慮して、計画期間を平成17年度から平成19年度までの3か年とし、約1億円の損失を見込みました。

 用水供給料金については、平成17年度以降、海水淡水化施設の稼働開始や既存施設の老朽化に伴う費用の増加によって、厳しい経営状況となることが見込まれるため改定は行わず、海水淡水化施設の稼働に伴う受水量の増による、構成団体の急激な料金の増加を緩和するため、平成17年度と平成18年度の2年間に限り、減免措置を実施することとしました。

■料金の減免(平成17~18年度)

〇平成17年度 平成17年度からの供給水量の増量分の基本料金を20%減免

〇平成18年度 平成17年度からの供給水量の増量分の基本料金を10%減免

【実績】

 この期間における収益的収支は、海水淡水化施設の稼働遅れなどにより収入が減少した一方、上水道高料金対策借換債による高利率の既往債の借り換えや、水資源機構割賦負担金の繰上償還の実施に伴う支払利息の減少や負担金等の維持管理経費の不用等により、支出が減少したことから約11億円の利益を計上し、その全額を減債積立金に積み立て、累積の利益は約20億円となりました。

 なお、料金の減免については、予定どおり実施しました 

                                        

第10次財政収支計画【平成20(2008)年4月~23(2011)年3月】

【計画】

 平成19年5月に発生した福岡導水漏水事故に起因する可とう管工事を平成22年度まで予定していたため、計画期間を平成20年度から平成22年度までとし、約12億円の損失を見込みました。

 また、景気の低迷や、維持管理経費等の増加による影響を受ける構成団体への負担軽減として、平成20年度から3年間、減免措置を実施することとしました。

■料金の減免(平成20~22年度)

〇平成17年度からの供給水量の増量分の基本料金を7%減免

【実績】

 この期間における収益的収支は、平成22、23年度における渇水などにより収入が減少した一方、上水道高料金対策借換債による高利率の既往債の借り換えや、水資源機構割賦負担金の繰上償還の実施に伴う支払利息の減少や負担金等の維持管理経費の不用等により、支出が大幅に減少したことから、約11億円の利益を計上し、累積の利益5億円を確保し、残る利益剰余金は減債積立金に積み立てました。

なお、料金の減免については、予定どおり実施しました 

 

第11次財政収支計画【平成23(2011)年4月~27(2015)年3月】

【計画】  

 「福岡地区水道企業団地域水道ビジョン」に基づき、必要な事業計画の策定と適切な事業費を見込み、経営基盤の安定・強化と構成団体の水道事業に係る負担の軽減を図るため、平成34年度までの「長期財政収支見通し」を平成23年2月に取りまとめました。また、中期の実施計画として「財政収支計画」を策定しました。

■料金の軽減(平成25年4月~)

〇基本水量の調整率 75%⇒67.5%

■料金減免の予定

〇平成25~27年度 大山ダム供用開始に伴う基本料金 増収分の100%減免

〇平成28~29年度 大山ダム供用開始に伴う基本料金 増収分の80%減免

〇平成30~32年度 五ケ山ダム供用開始に伴う基本料金増収分の100%減免

〇平成33~34年度 五ケ山ダム供用開始に伴う基本料金増収分の80%減免

 

 財政収支計画の期間は、保有資金残高が回復基調に転換すると見込まれる平成26年度までの4か年としました。基本料金の軽減等により、平成26年度以降、累積欠損金が生じる見込みで、計画期間中、約1千万円の損失が生じると見込みました。

 

【実績】

 平成25年4月に大山ダムが供用開始となり、安定供給水量による用水供給に移行しました。

 この期間における収益的収支は、平成22、23年度にかけての渇水や福岡導水の工事・点検等による節水協力により料金収入が減少した一方、収入においては会計基準の見直しによる長期前受金戻入の増、支出においてはダム等管理負担金の減や効率的な水運用による海水淡水化施設の生産水量の減に伴う維持管理費の減などにより、約29億円の利益を計上しました。

■料金減免の実績

〇平成25~26年度 大山ダムの供用開始に伴う基本料金増収分の100%減免

【公営企業会計基準の見直し(平成26年度~適用)による利益の増額について】

 公営企業会計基準の見直しに伴い、償却資産の取得のために交付される補助金等を、長期前受金として負債に計上し、毎年度減価償却及び固定資産除却の見合い分を収益化することになった。

 当企業団は、毎年度、長期前受金戻入を収益に計上することにより、その分利益が増加することとなった。

 

第12次財政収支計画【平成27(2015)年4月~31(2019)年3月】

【計画】 

 平成23年2月に策定した「長期財政収支見通し」については、4年が経過し、大山ダムの供用後、水源能力が強化されたため、河川の流況に応じ、海水淡水化施設の生産水量を調整する効率的な水運用を行っていることや、各事業計画と実績の収支の差が出ており、会計制度見直しによる影響や、管路整備計画の修正など時点修正が必要になっていたため、第12次財政収支計画の策定に合わせて平成38年度までの「長期財政収支見通し」の見直しを行いました。

 財政収支計画にあたっては、企業団最後の水源開発である五ケ山ダムが平成29年度に完成予定であり、平成30年度からは基幹施設の維持・更新の時代へと移行する企業団経営の転換期にあたるため、計画期間は平成29年度を最終年度とする3か年とし、約8億円の利益を見込みました。しかしながら、次期財政収支計画で予定する福岡導水施設地震対策事業の実施の前提となる国の水源開発基本計画の改定作業が遅れたため、計画期間を1年延長し、従来の長期財政収支見通しにおける平成30年度の見込みを計画とし、約15億円の利益を見込みました。

【実績】

 この期間における収益的収支は、収入は概ね計画どおりですが、支出については、牛頸浄水場及び海水淡水化施設の維持管理費等の減や、減価償却費等の減により損益は計画より約32億円好転し、約47億円の利益を計上、その全額を減債積立金に積み立てました。

■料金減免の実績

〇平成27年度 大山ダム供用開始に伴う増収分の100%減免

〇平成28~29年度 大山ダム供用開始に伴う増収分の80%減免

 

第13次財政収支計画【平成31(2019)年4月~令和5(2023)年3月】

【計画】

 平成30年度に概ね20年間で取り組むべき経営方針として、「福岡地区水道企業団水道ビジョン2018」を新たに策定し、その長期の実施計画として令和19年度までの事業計画と事業費を見込んだ長期的経営方針である「長期財政収支見通し2018」及び中期の計画として第13次財政収支計画(平成31(令和元)年度~令和4年度)を取りまとめました。

 この財政収支計画にあたっては平成29年度に竣工した五ケ山ダムの供用開始を令和元年度と見込み、かつ平成30年度に事業着手した福岡導水施設地震対策事業の事業費を計上し、令和4年度までの4か年計画とし、約32億円の利益を見込みました。

【実績】

 令和2年度に五ケ山ダムが供用開始となり、老朽化した施設の計画的な改良・更新を行うとともに、大規模地震に備えて管路の耐震化を推進しました。

 また、主要な設備の更新時期を迎えている海水淡水化施設についても、更新の方向性を示すなど、計画を概ね実行することができました。 

 この期間における収益的収支は、筑後川の流況に応じて海水淡水化施設の生産水量を調整するなど効率的な水運用を行ったことによる動力費等の減及び五ケ山ダムの供用開始が少雨傾向により遅れたことによる減価償却費の減などにより、財政収支計画期間中の利益は、計画を約16億円(令和4過年度損益修正益を除く)上回り約48億円となりました。なお、令和3年度まで利益の全額を減債積立金に積み立てましたが、令和5年度に損失が発生することから、令和4年度決算では過年度損益修正益を除く利益の全額を繰り越しました。

 

■料金減免の実績

〇令和2年7月30日~5年3月 五ケ山ダム供用開始に伴う基本料金増収分の100%減免

 

第14次財政収支計画【令和5(2023)年4月~9(2027)年3月】

【計画】

 水源開発から維持管理の時代への移行を踏まえたものとして、「長期財政収支見通し2018」を見直すこととし、第14次財政収支計画を取りまとめました。

 この期間の財政収支計画の策定にあたっては、施設の老朽化や気候変動、大規模地震等のリスクに備えるため、施設の適切な維持管理と改良更新による「施設能力の確保」や、安全で良質な水質確保のための「維持管理の強化」に取り組むとともに、「耐震機能の強化」などによる危機管理の充実などを図る費用を見込みました。

 この期間における収益的収支については、令和5年度には単年度損失が発生しますが、期間全体として収支は均衡する見込みです。

 料金については、今回の計画期間中における経営状況は概ね安定していることから、五ケ山ダム用水供給にかかる基本料金の減免を計画どおり実施し、現行の料金体系を継続します。

 

■料金減免の予定

〇令和5年4月~7月 五ケ山ダム供用開始に伴う基本料金増収分の100%減免

〇令和5年8月~7年7月 五ケ山ダム供用開始に伴う基本料金増収分の80%減免