清瀧取水事業(中止

(1)事業概要

 清瀧(きよたき)ダム建設事業は、大根川総合開発計画の一環として二級河川大根川水系の上流古賀市薦こも野の地先に多目的ダムを建設し、65万㎥の洪水調節容量を確保して、ダム地点における計画高水流量65㎥/sのうち60㎥/sの洪水調節を行い、治水基準点(古賀橋)における計画高水流量を580㎥/sから530㎥/sに低減させる。

 また、170万㎥の利水容量により、大根川沿川の既得用水の安定化及び河川環境保全のための流量を確保するとともに、新たにダムで開発する水道用水(16,000㎥/日)を、大根川井堰の湛水区域から取水して、古賀市筵内むしろうちに整備する浄水施設に導水後、浄水処理を経て、構成団体の配水池に振替送水する計画でした。

 当企業団では、平成16(2004)年のフルプランの全部変更に伴う事前説明で、将来の水需給の見通しが見えてきたこと、海水淡水化施設の配分水量が確定したこと、福岡県から、清瀧ダムの利水量を確定するように要望されていたこと、などから、構成団体にダム事業の参加の可否と必要水量の確認を行ったところ、構成団体の総意を得るには至らなかったため、清瀧ダムの利水者として参加しないことを、当企業団議会、福岡県、構成団体に報告しました。

 福岡県は、水道用水の需要が無くなったことから、公共事業再評価検討委員会の審議を経て、平成18年2月、清瀧ダムの建設を中止しました。

(2)貯水施設概要

事業主体

福岡県

河川名

大根川

位置

福岡県古賀市薦野

型式

ロックフィルダム

堤高

  約50.0m

堤頂長

約230.0m

集水面積

約3.7㎢

湛水面積

  約0.24㎢

貯水容量

約2,500,000㎥

洪水調節容量

    約650,000㎥

利水容量(当企業団容量)

約1,700,000㎥

堆砂容量

   約150,000㎥