1 計画
筑後川水系における水資源開発基本計画に基づいて、合所ダム、農業用取水施設及び水路等を建設し、利水容量(農業用水、水道用水)を確保するものです。
(1)農業用水として、水田(726ha)への用水供給と既成園に対する新規畑地かんがい、並びに新規に開拓する農用地の畑地かんがい(1,960ha)へ供給を行うため、437万㎥の容量を確保します。
(2)水道用水は、久留米市瀬の下地点において、当企業団、福岡県南広域水道企業団の計最大0.478㎥/sの取水を可能とするため、233万㎥の容量を確保します。
(3)筑後川本川及び巨瀬川のポンプ所水掛りの地区である1,509.3haの水田用水について、その水源を夜明地点に転換し、農業用水の合理化と維持管理費を節減します。
2 事業経緯
(1)昭和47(1972)年10月、農林省(現:農林水産省)が事業所を開設。昭和48年3月、国営土地改良事業計画を決定、公告縦覧の後、同年5月、農林大臣が事業計画を確定しました。なお、本ダムは、昭和56年1月、筑後川水系における水資源開発基本計画の一環として位置づけられました。昭和49年2月に用地補償交渉に入り、昭和50年12月、補償基準について妥結しました。
(2)昭和51年5月、当企業団及び福岡県南広域水道企業団は、合所ダム建設の共同事業者となるため農林省(現:農林水産省)と工事協定を締結しました。
同年11月から、付替県道等の補償工事に着手し、ダム本体の工事は昭和62年に完了し、付帯工事は昭和63年度に完了しました。
(3)引き続き試験湛水を開始しましたが、貯水池内の地山での漏水が見られたため、試験湛水に時間を要し、平成5(1993)年4月に完成しました。
3 建設経過
昭和42年度 |
農林省(現:農林水産省)直轄調査着手 |
昭和46年度 |
全体実施設計着手 |
昭和47年10月 |
耳納山麓農業水利事務所設立 |
昭和48年5月 |
事業計画確定 |
昭和51年度 |
合所ダム建設事業に関する協定書締結 |
昭和51年度 |
付替県道等工事着手 |
昭和55年度 |
合所ダム本体工事着手 |
昭和56年1月 |
筑後川水系における水資源開発計画の全部変更 |
昭和62年度 |
ダム本体工事完了 |
昭和63年度 |
試験湛水開始 |
平成2年度 |
夜明取水工着手 |
隈上川頭首工着手 |
|
平成4年度 |
水管理施設工事 |
平成5年4月 |
合所ダム完成検査合格 |
平成6年3月 |
事業完了 |
4 概要
事業主体 |
農林省(現:農林水産省) |
河川名 |
筑後川水系隈上川 |
位置 |
福岡県うきは市うきは町小塩 |
型式 |
傾斜遮水ゾーン型ロックフィルダム |
目的 |
農業用水 水道用水 |
堤高 |
60.7m |
堤頂長 |
270.0m |
堤体積 |
1,318,500㎥ |
集水面積 |
42.0㎢ |
湛水面積 |
0.38㎢ |
非越流頂標高 |
EL 138.0m |
常時満水位 |
EL 134.0m |
最低水位 |
EL 105.8m |
総貯水容量 |
7,660,000㎥ |
有効貯水容量 |
6,700,000㎥ |
水道用水容量 |
2,330,000㎥ |
(当企業団容量) |
(1,590,000㎥) |
農業用水容量 |
4,370,000㎥ |
堆砂容量 |
960,000㎥ |
主務省 |
農林省(現:農林水産省) |
管理 |
福岡県 |
管理開始 |
平成6年4月 |
当企業団配分水量 |
最大28,100㎥/日 |
5 事業費
271億円
6 企業団負担金
74億円
7 管理
福岡県が、平成6年4月から「合所ダムの管理に関する協定書」に基づき管理を開始